医療機関の皆様へ

生体がもつがんの免疫機構を利用する免疫療法は、がんの三大標準治療(外科手術・化学療法・放射線療法)に続く治療法として有望視されてきました。中でも患者さんの血液から免疫細胞を分離し、生体外で機能強化したうえで体内に戻すことにより抗腫瘍免疫を誘導させる免疫細胞治療は、副作用の少ない治療法として古くから研究が行われています。

樹状細胞の強力な抗原提示能を利用する樹状細胞ワクチンによる治療は、特異的な抗腫瘍免疫を誘導できるものとして免疫細胞治療の中でも最も期待が高く、国内外で臨床試験も盛んに行われ、一部の大学病院等では先進医療としても実施されています。自己がん組織から調製した腫瘍ライセートを抗原として利用すれば、患者さん独自の樹状細胞ワクチンを作成することが可能であり、近年では、エレクトロポレーション法を応用した抗原取り込みや抗腫瘍免疫をより強化できるアジュバントの利用等、さらにその臨床効果を上げるための研究開発も進められています。

その一方で、患者さんが実際に樹状細胞ワクチンによる治療を希望しても、抗原となる自己がん組織が手に入らず、治療を諦めざるを得ないという現実も少なくありません。

「自己がん組織バンク」では、患者さんのがん治療にお役立ていただくことを目的として、手術で摘出したがん組織をお預かりしています。組織は「樹状細胞ワクチン療法」の抗原としての利用を想定し、専用の施設において超低温ディープフリーザーで適切に管理・保管を行います。

※株式会社メディネットの樹状細胞ワクチン療法については、こちらをご覧ください。

がん組織ご提供について

患者さんから協力のご依頼があった場合には、以下のとおり、ご協力をお願い申し上げます。
※あくまでも手術により摘出した組織で、必要な検査などに使用する部分以外のがん組織について保管をするものであり、保管分の組織が採取できなかった場合でも、貴院およびご担当医様が何ら責任を負うことはございません。

1. がん組織の提供
固形がん組織であって、著しい壊死などを起こしていないものをご提供ください。(胸水、腹水などは対象ではありません)
ホルマリン固定やパラフィン包埋、凍結包埋などの処理はされないようお願い致します。
がん組織の大きさの目安は、1つまたは複数の組織を合わせた総量が2cm角程度です。
2. 感染症検査結果の提供(過去6か月以内のもの)
6か月内に実施した「感染症検査結果のコピー」、または「感染症検査結果提供書」にご記入いただいたものを患者さんにお渡しください。
検査項目:HIV抗体、HCV抗体、HBs抗原
3. 病理診断結果の提供
摘出したがん組織の病理診断結果として「病理診断書のコピー」、または「病理診断結果提供書」にご記入いただいたものを患者さんにお渡しください。