何故がん組織を保管するのか?

3.「自己がん組織」を利用したがん治療「樹状細胞ワクチン療法」

「樹状細胞」とよばれる免疫細胞は、がん細胞を食べて細胞表面にそのがん細胞の目印である「抗原」を提示します。そうすることで、がん細胞を攻撃する能力のある免疫細胞「T細胞」にがんの情報を伝えます。がんの情報を受け取ったT細胞は、活性化・増殖してがん細胞を見分けて攻撃することができるようになります。

「樹状細胞ワクチン療法」は、この樹状細胞とT細胞の特徴を応用した治療法です。患者さんの血液から樹状細胞を分離し、手術で摘出したがん組織を取り込ませた上で体内に戻します。すると、体内で樹状細胞ががんの目印となる情報をT細胞に伝え、T細胞はがん細胞を見分けて攻撃する能力を持つ細胞傷害性T細胞(CTL)へと分化し、がん細胞を攻撃するようになります。

樹状細胞ワクチン療法のしくみ

手術後の補助療法としてだけでなく、再発の場合にも樹状細胞ワクチン療法は有効と考えられています。

4.自己腫瘍と抗原ペプチド