何故がん組織を保管するのか?

4.自己腫瘍と抗原ペプチド

もしがん組織が手に入らない場合でも、がんの種類によってはどのような目印を出しているかが既に分かっているものもあり、その目印を人工的に合成して樹状細胞ワクチン療法の抗原として利用することも可能です。この人工的に作製されたがん抗原を「がん抗原ペプチド」といいます。

しかし、がん抗原ペプチドにはそれぞれHLAのタイプ(白血球の型)が決まっており、患者さんのHLAタイプと一致するものでなければ治療に用いることができません。これに対して「自己がん組織」を使用する場合は、もともと自分の身体にあったものを抗原として利用するので、がん抗原ペプチドのように不一致となることはありません。

したがって、樹状細胞ワクチンの効果を最大限に引き出すためには、自身のがん組織を「抗原」として用いることが大変有効であると考えられますが、実際には、手術で摘出したがん組織は病理検査などで一部使用された後に捨てられてしまうことがほとんどです。

「自己がん組織バンク」では、このような手術で摘出したがん組織をお預かりし、患者さんの再発予防や再発後の治療に役立てていただくためのサービスです。がんの手術を控えており、自己がん組織の保管をご希望の方は、是非お問合せ、お申込みください。